薩摩守忠度(さつまのかみただのり)

上町維新

2012年09月03日 22:52

 自称歴女の私(於春)は、人様の評価(視聴率)に振り回されることなく今年の大河ドラマ
「平清盛」
を毎週欠かさず見ています。
 個人的には、人と人との関係、機微が丁寧に描かれていて、各登場人物の苦悩が同じ人間として感じられて好きなんですけどねぇ~~。(歴史ファンのみなさん、どうして見てくれないの??)

 ところで、8月26日(日)放送の平清盛、50歳のお誕生日祝いの宴に(見てない人、スミマセン。)
いきなり「兄上!」と飛び込んできた口ひげを生やした熊みたいな人、覚えていますか?
 公家の藤原なんちゃらと和歌で競い合った人です。

 彼は清盛の弟(母違いだと思う)なんですが、薩摩守忠度というそうです。
 「薩摩」と出てきたので、少し調べてみたら、当時薩摩国を治める長官だったようですが、実際は任地に赴くケースはなかったようです。
 ちなみに忠度は、和歌が上手い人で平家が都を捨てて落ちていく途中、部下を数人連れて、再度都に引き返してきたそうです。
 何故、引き返してきたかというと、藤原俊成(『千載和歌集』の選者で審査委員長)という人の家に行き、
 忠度曰く、「勅撰和歌集の編纂があると聞きました。ぜひ、私の和歌も一首でも入れていただけないでしょうか?ここに巻物を持参いたしました。」
                  (なんか図々しい感じもしますが・・・・by於春)
 俊成は、せっかく忠度が巻物に百首も書いて持ってきたので、すぐれた和歌を一首選び、 その時は、平家は罪人扱いだったので、名前を出さずに「読人知らず(作者不明)」として入れたそうです。

 さざなみや 志賀の都は あれにしを 昔ながらの 山ざくらかな
(志賀の旧都は荒れてしまったが、長良山の山桜は、昔と変わらず咲き誇っているのだなぁ)
  
 
 それで、薩摩守忠度なんですが、無銭乗車のことを「薩摩守」と言ったりするそうなんです。
 皆さん、知ってました???
 諱(いみな)が、「ただのり」であることから、無銭乗車を意味する隠語だそうです。
 狂言に「薩摩守」というのがあるそうですよ。

 見たことのある方は、教えてくださいね♪

                           参考資料「一日で読める 平家物語」